健康診断では、胸部X線検査が行われます。胸部X線検査では、胸部の写真を撮影して1枚の画像データにします。胸部にある様々な臓器を撮影しますが、数㎜単位で検査する胸部CT検査と比較すると少し簡易的な検査方法になります。胸部X線検査では、判定を行う医師が異常と判断すれば、要精密検査となります。実際に精密検査を行って深刻な病気が見つかるケースは僅かですが、少しの異常でも発見されれば、精密検査を行うことが、胸部X線検査を行うことが健康診断での対応となります。

健康診断で異常と診断された場合、できるだけ早く胸部CT検査を受けることをお勧めします。なぜならば、胸部X線検査で異常が見つかった方が、胸部CT検査を実施すると異常なしであることが多いからです。血管・肋骨など様々な臓器がある胸部周辺では、偶然色濃く写ったケースもあります。CT検査は、MRI検査のように15～30分もの時間がかかる検査ではなく、10秒程度で終了します。ほとんどの閉所恐怖症の方でも検査ができます。なお、近年では技術の進歩により被爆が低減されており、身体的ダメージが少なく安心して検査が可能です。肺の場合であっても造影剤を使用せずに検査ができるため、危険性は極めて低いです。

2次検査において肺がん・結核などの病気が見つかる方もいらっしゃいますが、CT検査では㎜単位で肺を詳しく検査することが可能です。どのような病気でも早期発見は重要であり、早期肺がんでは手術で治癒が望めるため、胸部CT検査を受けることは大切です。

胸部CT検査においては、肺全体を詳しく検査することができます。肺が溶ける肺気腫や、X線検査でも発見が難しい早期肺がんなどの確認も可能です。近年では、健康診断で肺ドックが設けられ、自費で胸部CT検査を行っている方もいらっしゃいます。数年に1度、約15000円で検査が可能です。健康診断の胸部X線検査で異常が見つかった方は、保険診療となり胸部CT検査を約4500円で受けることができます。この機会にCT検査を受け、ご自身の身体を大切にしましょう。

日本ではCT検査機器を導入していない医療機関が多いため、健康診断において胸部X線検査で異常が見つかった場合には、下記のような対応を行ってください。

• 医療機関から総合病院への紹介状を作成してもらい、別日に総合病院でCT検査を行う
• 検査結果は医療機関へ郵送されるため、後日結果説明を聞きに行く

など

このような流れの場合、健康診断で異常を指摘されて医療機関を受診後また1週間以上結果が判明するまで時間を要します。多忙を極める現代人には、受診の遅れ・診断の遅れが生じる可能性が高くなります。そのため、CT検査機器を導入している医療機関で受診できればCT撮影がすぐにでき、医師からの結果説明がその場で可能です。なお、当院においてもCT検査を即日で受けることができます。

当院では、院長の問診後に放射線技師がCT検査を行います。当院では女性の検査技師が常勤しており、土曜日に関しては男性の検査技師が対応に当たる場合がありますので、女性の方でも安心して検査を受けることが可能です。CT検査は結果がすぐにわかるため、検査が終わり次第呼吸器内科専門医・総合内科専門医である院長が画像を見ながら結果を説明しています。また。画像の遠隔読影専門の会社と契約しているため、経験豊富な放射線画像診断専門医によるCT画像のダブルチェックを行っております。CT検査の詳細な読影リポートは検査後数日後に完成し、肺・肝臓・腎臓・骨などの全ての臓器を専門的に読影しています。このようなことから、胸部CT検査で骨・甲状腺・腎臓などに異常が見つかったという前例もあります。撮影1週間後、患者様に再度ご来院いただき、読影結果を直接お渡しすることで患者様の多くが安心しています。遠方より受診された場合には、結果の郵送も行っています。胸部CT検査の他にも頭部・腹部も検査できます。緊急性がある場合には、放射線画像診断医による緊急の読影も可能です。CT読影リポートが1時間程度で完成できます。当院では迅速かつ的確な検査を行い、患者様の不安を取り除けるように努めて参ります。健康診断の胸部X線検査において異常が見つかった方は、お気軽に当院までご相談ください。