乳がんの手術後フォローアップ
乳がんの術後は、退院後に定期検診を受けていただきます。術後は最低でも5年間は、体調の確認と経過観察を外来にて行います。乳がんのがん細胞はゆっくり増殖する特徴があるため、術後5年以上経過してから再発する可能性があります。そのため、術後10年間は定期検査を受けることをお勧めしています。術後5年間は3カ月~半年を目安に健診を受けるようにし、その後は半年~1年毎に受診しましょう。定期検査の内容は、問診・視診・触診・腫瘍マーカー検査・乳腺超音波検査・血液検査・マンモグラフィであり、医師が必要と判断した場合には画像診断を行うことがあります。術後10年が経つと完治したと見なされますが、その後1年に1回は手術していない方の乳房(対側乳房)の確認を必要とします。万が一術後10年以内に乳がんを再発しても、早期発見が可能であれば負担の少ない治療で済みます。
手術後のセルフチェック
手術後のセルフチェックも忘れずに定期的に行うことで、乳がんの再発や手術を受けていない乳房で発症しても気になる症状に早めに気づくことができます。ご自身で毎月1回は日にちを決め、手術部位・温存した乳房・手術していない方の乳房(対側乳房)の念入りなチェックを行うようにします。チェックする項目の中でも対側乳房は乳がんを発症しやすい特徴があります。そのため、対側乳房も入念にチェックし、気になることがあればお早めに当院までお問い合わせください。
手術した乳房のチェック
手術後の部位において、凹み・ひきつれ・ふくらみ・しこり・赤くなっていないかなどを念入りにチェックする必要があります。乳房温存術を受けた際には、温存した乳房の組織にしこりやこぶがないか確認し、乳頭も少し摘んで分泌物に異常がないかチェックしましょう。
対側乳房
対側乳房(手術を受けていない乳房)にも、しこり・凹み・ふくらみ・ひきつれがないか確認し、乳頭からの分泌物に異常なものが出ていないか確認します。ベーチェット病という乳がんが皮膚に浸透して起こる疾患があります。この場合、皮膚に赤い斑点・痒み・ただれ・びらん・白く抜けたような湿疹が起こることがあるため、忘れずにチェックしましょう。