糖尿病内科の専門性
糖尿病内科は、糖尿病に特化した診療科です。 糖尿病の治療は、糖尿病の進展や合併症をいかに防ぐかが大きな目的です。糖尿病内科では、他科、他部門と連携しつつ、専門的知識に基づいた糖尿病の教育、管理、治療を行い、患者様の健康を最適な状態に保つための支援をします。患者様のライフスタイルに合わせた治療計画を立てることで、血糖値のコントロールを助け、合併症の予防と管理を支援します。
糖尿病の診断と治療
糖尿病は、主に血糖値と、それに付随する検査結果や症状にて総合的に診断されます。 治療が必要と診断された場合、食事療法や運動療法、薬物療法を行うことで、血糖値が正常な状態に保つよう、コントロールしていきます。
食事療法
糖尿病治療の基本は食事療法です。糖尿病患者様の食事は、血糖値をコントロールするために大切で、どのような治療を行っている患者様でも、食事療法は必須となります。当院では、管理栄養士による栄養指導も行うことで、栄養バランスの良い食事を提案し、糖尿病の進行と合併症を予防します。
運動療法
2型糖尿病のおもな原因は、肥満、過食、運動不足です。過食を抑えて血糖値の上昇を防ぎつつ、日常的な運動習慣を身につけることで、筋肉の活動量が上がり、インスリンの働きを改善します。なお、食後1時間後に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進されて、血糖値が下がるという効果もあります。
チームアプローチ
糖尿病内科の診療においては、糖尿病内科医だけでなく、他の医療専門家と協力・連携し、チームでアプローチしていくことが極めて重要です。なぜなら、糖尿病は全身の健康に影響を及ぼす病気だからです。患者様の主治医は糖尿病内科医となり、血糖値管理を中心に治療を提供しますが、それに加えて他の専門家と連携することで、より全身的なケアを実現させていきます。
健康的な生活習慣の維持
上記の通り、糖尿病は生活習慣の悪化によって起きる病気ですので、その治療においては、患者様の生活習慣をどう変容させるのかが重要です。生活習慣の基本は「食事」と「運動」ですから、管理栄養士が食事を、理学療法士が運動をケアします。
合併症の早期発見と予防
合併症を併発した場合には、眼科医、腎臓専門医、神経科医など他の専門家と連携して、さまざまな合併症をケアしていきます。
糖尿病の合併症
血糖値が高い状態を長く放置していると、目や腎臓内にある細い血管など、全身の血管が傷つき、さまざまな病気を併発してしまいます。これを糖尿病の合併症といいます。
3大合併症
糖尿病でお悩みの患者様は、当院内科外来および糖尿病外来でご相談ください。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、高血糖により、眼の網膜にある非常に細い血管が傷ついていく合併症で、進行すると最終的には失明に至ります。糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見すること、発見された際には進行予防・治療のために、年に1回以上眼底検査を行うことが必要となります。
糖尿病神経障害
糖尿病神経障害は、高血糖により、手足の神経が傷つけられ、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。これらは、両手足に左右対称にあらわれる特徴があります。慢性的に痛みを伴う場合や、進行して知覚が低下した場合、その後足潰瘍や足壊疽となる患者様もいます。自覚症状がある場合は、早めに担当医に相談しましょう。
糖尿病腎症
糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管が傷ついていく合併症です。 進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓機能が失われてしまうため、最終的には透析治療を要することになります。この合併症も自覚症状がないまま進行していきますので、定期的に腎臓の機能を検査し、早期発見に努める必要があります。