甲状腺に「しこりがある」と言われたら
甲状腺のしこりは、健康診断などの超音波検査で偶然発見されるか、触ってわかるほど大きくなった段階でようやく気が付く場合が多いです。明確な体調不良などの自覚症状がないため、放置されてしまうケースが多く見られます。甲状腺のしこりは、90%が良性のため、過度な心配は不要ですが、中には治療が必要な悪性腫瘍である可能性もありますので、医療機関で検査・診断を受けることをお勧めします。
甲状腺にできる「しこり」の分類
良性腫瘍
上記の通り、甲状腺腫瘤の90%は良性で、主に以下のものになります。
甲状腺腫瘤(甲状腺の腫れ)の検査
血液検査
血液検査では、各検査項目の数値を調べて、甲状腺の働きの異常や全身への影響を判断します。悪性腫瘍を可能性がある場合は、特にサイログロブリンや特殊な腫瘍マーカーなどの項目の数値を確認します。
超音波検査
超音波検査によって、しこりの有無や大きさがわかるほか、形や輝度からしこりが良性/悪性かを判別することができます。
穿刺吸引細胞診
甲状腺に細い針を刺して直接細胞を採取し、顕微鏡などで細胞組織を検査する方法です。腫瘍の良性/悪性の診断に用いられます。ただし、超音波検査などの結果から、明らかに良性と判断されたものに対しては、行わない場合もあります。
甲状腺腫瘤(甲状腺の腫れ)の治療
悪性腫瘍の場合
一般的に手術によって悪性腫瘍を切除する場合がほとんどです。甲状腺の切除範囲は、甲状腺腫瘍の種類や、進行度合いをみて総合的に決定されます。他には、放射線治療・アイソトープ治療・エタノール注入治療が選択されることもあります。
良性腫瘍の場合
検査の結果良性と判断された場合は、その後はエコー検査で定期的な経過観察を行います。腫瘍が大きな場合は、手術によって切除したり、注射器を使って腫瘍の中の液体を抜いたりすることがあります。