肝機能障害とは
肝機能障害は、肝臓が障害を受けて炎症を起こし、肝細胞が破壊されている状態で、肝機能異常とも呼ばれます。 障害が進むと乾燥の機能が十分に果たせなくなり、様々な症状を起こします。 血液検査でAST、ALT、γGTP、ALP、LDH、ビリルビンなどの数値が高い場合、肝機能障害が疑われます。 血液検査でこうした項目の異常値を指摘された場合には、できるだけ早めに当院の消化器内科を受診して下さい。
肝機能障害の原因
急性と慢性に分けられます。急性肝機能障害には、急性ウイルス性肝炎や薬剤性肝炎があります。 慢性肝機能障害には、肝炎ウイルス感染によるB型・C型肝炎、アルコール性肝炎、脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎があり、肝硬変から肝臓がんの発症につながるケースもあります。 近年増加傾向にあるのは、アルコールを飲まない方の脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)で、過食や高脂肪食、運動不足などが背景にあると考えられています。
肝機能障害の症状
肝臓は状態が悪くなっても自覚症状が現れにくい臓器です。 主な症状である全身倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸、皮膚のかゆみ、むくみなどが現れた時点ではすでにかなり進行している可能性が高くなります。 自覚症状がなくても健康診断などの血液検査で肝機能の異常を指摘されたら、できるだけ早くご相談ください。 特に症状がなくても3割近い割合で肝機能障害が確認できると指摘されています。
肝機能障害の治療
慢性肝炎
慢性肝炎が進行すると肝硬変になります。 肝硬変は肝臓がんを生じさせる可能性のある状態です。 また肝硬変から肝不全を起こすと解毒の機能が働かずに肝性脳症を生じ、意識障害や昏睡、死亡に至る可能性もあります。 慢性肝炎では、肝硬変まで進行させないことが重要であり、そのためにはできるだけ早く正確な診断を受け、適切な治療を受けることが不可欠です。 肝機能障害の治療は原因疾患によって異なります。慢性肝炎の8割はウイルス性肝炎であるとされており、ウイルス肝炎でもB型・C型がほとんどを占めます。 最近になって性感染症としてのB型肝炎発症が増加傾向にありますので注意が必要です。
脂肪性肝炎・アルコール性肝炎
脂肪性肝炎では基本的に食事療法や運動療法の具体的で丁寧な指導を行っています。 アルコール性肝炎では、禁酒に加え、高蛋白食や野菜・果物などによる適切なビタミン摂取などの指導を行っています。 また、肝庇護薬などの処方を検討するケースもあります。 肝機能障害から肝硬変になってしまうと元の状態に戻すことができませんので、肝硬変になる前に適切な治療を開始し、経過を慎重に観察しながら地道に治療を続けていくことが重要です。