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子宮外妊娠

子宮外妊娠(異所性妊娠)について

子宮外妊娠とは、受精卵が子宮内膜ではなく、子宮内膜以外の場所に着床することを言い、正式には「異所性妊娠」と呼ばれます。子宮外妊娠の大半が卵管妊娠ですが、卵巣妊娠、腹膜妊娠、頸管妊娠もあります。子宮外妊娠は、下腹部の痛みや痙攣、持続的な不正出血が主な症状です。妊娠の可能性があって、これらの症状が生じた場合、早急に専門科へご受診ください。例えば卵管妊娠であって、受精卵が成長して卵管が欠損すると、激しい下腹部の痛みが生じます。そのままにしていると、大量出血や血圧低下でショック状態になり、命を落とす危険性があります。

下腹部痛

子宮外妊娠(異所性妊娠)の症状

子宮外妊娠は、不正出血と下腹部痛が主な症状として挙げられます。ですが、初期には普通の妊娠と同じく自覚症状がないことがほとんどです。着床した絨毛組織(胎盤の一部)は、卵管内(または卵巣や腹膜)で成長し続けることは不可能で、受精卵が剥離して起こる「卵管流産」、もしくは、卵管が破裂する「卵管破裂」を引き起こします。これらが起こると、激しい痛みを伴いますが、人によっては軽度の痛みの場合もあります。卵管流産や卵管破裂が起こり、大量出血した場合は、ショックを起こして命を落とすリスクもあるため、早期受診・診断が必要です。

子宮外妊娠(異所性妊娠)の検査・診断法

子宮外妊娠の診断には、主に超音波検査とhCG定量検査(血液または尿)を使用します。hCGとは、胎児が分泌するホルモンで、妊娠週数ごとに増加します。尿検査で妊娠反応が出ているにもかかわらず、子宮内に胎嚢が見えない場合、子宮外妊娠が疑われます(具体的には、hCGの値が1000IU/ml以上なのに胎嚢が見えない場合など)。ただし、初期の流産の可能性もあるため、慎重な鑑別が必要です。また、卵管破裂前は症状や所見が乏しいため、診断が難しいことがあります。この場合、腹腔鏡検査などを行って確定診断が下されることもあります。