ミレーナについて
ミレーナは、ピルに比較して、避妊効果が高く、薬剤が全身に拡散せず子宮とその周辺にとどまるため血栓のような全身的な副作用が少なく、より安全な避妊法です。子宮内避妊器具であるリングに黄体ホルモンが付加されており、徐々に黄体ホルモンを放出するので、一旦装着すると、最大5年にわたって避妊効果を発揮します。そのため、ピルのような飲み忘れもありません。また何らかの理由でピルを服用出来ない方にも使用できる可能性があります。 ミレーナはT字型の柔らかいプラスチックからできていますが、子宮の形状などで適合しない可能性もありますので、使用前には医師の診察を必要とします。装着後に妊娠を希望されたい時は、ミレーナを除去することで再度妊娠が可能になります。 なお、 過多月経や月経困難症の治療でミレーナを使用する場合、保険適用になります。
ミレーナが推奨される方
- 経腟分娩の経験がある
- 次の出産まで数年間空けたい
- 妊娠を希望していない
- 経血量が多い過多月経である
- 重度の生理痛などの月経困難症がある
- 何らかの理由でピルを服用できない
ミレーナの装着前の検査
ミレーナを装着する際、事前に、妊娠の有無の確認、子宮や卵巣の検査、性感染症の有無の確認などを行います。
ミレーナの装着時期・方法
ミレーナは月経開始後7日目までに装着しますが、4～7日目は経血量が減少するため、装着に適切な時期です。 挿入自体は通常5分程度で済みますが、子宮の形状などによっては5分以上かかる場合もあります。
挿入後の注意事項
装着当日は入浴せず、軽いシャワー程度で済ませるようにしてください。
ミレーナのメリット
費用対効果が低用量ピルよりも高い
低用量ピルを5年間服用した費用と比べると、ミレーナは検診を含めても費用負担が軽く、ピルより費用対効果が勝っています。
ピルの服用ができない方も使用できる
ミレーナは子宮とその周辺にしか薬剤が拡がらないため副作用が少なく、ピルの副作用が重い、BMI30以上などの肥満、喫煙者、30代後半から40歳以上、動脈硬化が進み血栓のリスクがある、高血圧や脂質異常があるなどのために、低用量ピルを服用できない方でも使用できる可能性があります。また、お薬を飲み忘れがちで、ピルのように確実に定期的に飲まなければいけないお薬を避けている方にも有用です。
ミレーナの副作用
血栓症などの重い副作用はほとんどありません。ただし、装着後数日間は、不正出血や下腹部痛が起きる場合があります。また、腰痛、月経周期の変化、生理が8日以上続くような過長月経などが起きたり、一時的に乳房が張ったりすることがあります。副作用と思われる症状が長期間続いたり、痛みが強かったりするときは、速やかに医療機関をご受診ください。副作用としては不正出血が最も頻度が高いです。ミレーナ装着後はミレーナから黄体ホルモンが放出されるため、子宮内の黄体ホルモンの濃度が高くなりますが、その黄体ホルモン濃度が高い状態に適応するまで、不正出血を起こすことが多くなります。ただし、体の適応の問題なので人によって大きく異なり、1ヶ月程度で治ることも、数ヶ月間頻繁に不正出血があることもあり、あるいは少量ではあっても半年間もの長期間不正出血があることもあります。また、滅多に起こりませんが、ミレーナの脱出が起こることがありますので、定期的に通院し、位置をチェックすることが大切になります。
ミレーナ挿入後の検診
ミレーナを装着して1～2ヶ月後に、超音波を用いてミレーナの位置のチェックを行います。その後は3〜6ヶ月おきに数回位置の確認を行い、それからは年1回程度の確認を行います。毎年の検診の機会を利用して、子宮がん検診を一緒に行うことをお勧めいたします。
ミレーナ装着時の痛み
特に経腟分娩の経験がない方の場合、ミレーナの挿入に時間がかかったり、装着時に痛みが生じたりすることがあります。
ミレーナの避妊効果
完全ではありませんが、ミレーナがしっかり装着されていれば、1年間に妊娠する確率は0.2％とされています。また、挿入後は直ちに避妊効果が発揮されます。しかし、ピルと同様、性感染症の予防にはなりませんので、性感染防止のためにコンドームをご使用ください。
ミレーナの装着後の性交渉
装着して最低1週間は性行為を控えてください。また、場合によってはさらに長い期間控える必要があることがあります。詳しくは、ミレーナ装着の際にご説明します。 なお、ミレーナ装着自体は、本来、性交に何か影響を及ぼすことはありません。もし装着後に性交時の痛みや違和感を覚えるような場合は、正しく装着されていないことが疑われますので、お早めにご相談ください。
費用
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