尿・便の検査
尿・便中には病気を調べるきっかけとなる成分・不純物が多く含まれています。
尿蛋白・腎臓や尿路(腎盂、尿管、膀胱、尿道)の障害の原因を検査する
私達が生きていく上で、血液中に含まれる蛋白は欠かせないものであり、一部は腎臓でろ過されてから尿中に排出されて尿細管で吸収され、血中に戻る仕組みになっています。尿蛋白は健康な状態でも尿中に少量出ることがあります。しかし、蛋白が大量に漏れ出ると腎臓・尿管に異常が起こっており、蛋白尿が出ることになります。尿蛋白を検査する際、試験紙法を用います。試験紙法で陽性反応が出た場合、再検査・尿中の蛋白量を1日分検査する定量検査も行います。
値 | 糖量mg/dl | 判定 | 対策 |
---|---|---|---|
(-) |
14以下 |
正常 | |
(±) |
15~29 |
||
(+) |
30~99 |
異常 |
要再検査 数値の高い原因を調べる |
(++) |
100~299 |
||
(+++) |
300~999 |
||
(++++) |
1000以上 |
尿潜血・腎臓や尿路(腎盂、尿管、膀胱、尿道)内での異常を確認する
尿の中に血液が混じる条件に、腎臓・膀胱・尿管・尿道に炎症や腫瘍、結石が生じていることがあります。出血量が少ない場合と多い場合があり、目視で確認できれば血尿となります。しかしごく少量の出血の場合には尿潜血といいます。出血量を調べるにはスクリーニング検査である試験紙法を用います。しかし、この検査だけでは病気の有無を診断することができず、一過性の尿潜血の場合もあります。
尿沈渣・腎臓や尿路(腎盂、尿管、膀胱、尿道)の障害について検査する
尿蛋白・尿潜血で数値が異常になった時に尿沈渣の検査を行います。これは、尿中に含まれる赤血球・白血球などの細胞・結晶・細菌の有無を調べます。検査方法として、遠心分離機に尿をかけることで成分を沈殿させます。異常がなければ成分は発見できませんが、腎臓から尿管・尿道・膀胱までのどこかで異常が見つかれば数値が増えます。この検査によって下記に示した様々な病気を発見することが可能です。
検査成分の目安
成分 | 正常値 | 異常値で判明する病気 |
---|---|---|
赤血球 |
1視野に1~2個 |
頻尿・腫瘍・腎炎・膀胱炎・尿路結石など |
(高齢女性の場合、5個までは正常値) |
||
白血球 |
1視野に1~3個 |
尿路感染症・前立腺炎など |
結晶成分 |
1視野に少量 |
急性肝炎・腎結石など |
上皮細胞 |
1視野に少量 |
尿路感染症・腫瘍など |
円柱細胞 |
1視野になし |
腎炎・ネフローゼ症候群など |