骨密度検査とは
骨密度を測定することで、骨の脆さを把握できます。骨密度検査ではX線を用いて骨の量を測定し、若い人の平均値を100%とした場合に、自身の骨の量がどの程度あるかが分かります。
骨密度が80%を切ると要注意、70%を切ると骨粗鬆症と診断されます。
ただし、他に骨密度が減る疾患がなく、骨折したこともない方に限ります。
骨粗鬆症を発症すると骨折する危険性が高まるため、速やかな診断と運動療法や食事の見直しを行うとともに、必要に応じて骨を強化する薬を用いることが必要です。
特に女性は50歳を過ぎるとリスクが高まるとされています。無症状でも定期的に骨密度を測定するようにしましょう。
骨密度検査の種類
DXA(デキサ)法
DXA(デキサ)法は、骨粗鬆症と診断する際に用いる検査方法です。 前腕や太もものつけ根、背骨の骨密度をX線で計測します。検査着を着て装置に寝転び、数分間姿勢を保てば測定できます。診断以外、薬の治療効果判定にも有用です。
MD法
MD法は手の骨密度をX線で計測する検査方法で簡単に測れるため、DXA(デキサ)装置がない医院で一般的に使われています。薬による治療効果判定には不向きです。
(QUS)定量的超音波測定法
超音波をかかとの骨に当てることで、骨の強度をチェックする検査方法です。診断には用いませんが、検診で骨折リスクを簡単に確かめる手段としてよく用いられます。
骨粗鬆症の検査
X線検査
腰椎や胸椎などの背骨のX線写真を主に撮像し、骨粗鬆化や変形、骨折がないかチェックします。骨粗鬆化とは、骨に鬆(す)が含まれたように空洞化することです。骨粗鬆症と他の疾患とを判別するためにも必ず行います。
身長測定
25歳の時の身長と比較して身長の縮み具合を確認することも骨粗鬆症と診断する際に有用です。
血液・尿検査
骨代謝マーカーによって骨の新陳代謝のスピードを把握できます。血液検査と尿検査によって骨代謝マーカーを計測します。骨代謝マーカーは骨吸収を表しており、これが高い方は骨密度が低くなるスピードが速いため、現状の骨密度とは無関係に骨折のリスクが高いです。また、骨代謝マーカーは骨粗鬆症と他疾患と判別するのにも有用です。
骨粗鬆症の診断
骨粗鬆症を診断するには、骨折の有無と骨密度の2つを主に用います。本人が気づいていない脆弱性骨折が起きていることがあるため、診断にはX線検査が必須です。脆弱性骨折とは、こける、もしくはこけること以外で少しの力がかかって起きた骨折のことです。
診断基準(原発性骨粗鬆症の場合)
脆弱性骨折がない方 | 骨密度が―2.5SD(標準偏差)以下、もしくはYAMの70%以下 |
脆弱性骨折がある方 | ・大腿骨近位部(足の付け根)の骨折、もしくは椎体(背骨)の骨折 ・上記以外の脆弱性骨折を認め、骨密度がYAMの80%未満 |
YAM:若年成人平均値(大腿骨近位部は20~29歳、腰椎は20~44歳) 骨密度は基本的に、大腿骨近位部あるいは腰椎の骨密度