淋病とは
淋病の症状としては、排尿時の痛みや尿道口からの膿が挙げられます。性感染症の中でもクラミジアや淋病は再感染しやすく、治療せずにいると感染が拡散し、前立腺炎や子宮内膜炎などを引き起こし、不妊のリスクを高める要因にもなります。 パートナーがいる方は、お互いに治療を完了させないと再感染するリスクがあります。当院では、疑問を感じたら気軽に受診できるよう、土日も開院しています。症状がある場合や医師の判断により、保険適用で受けられる検査や治療を提供しています。気になる方はお気軽にご相談ください。
淋病の原因
淋菌は、日光や温度変化、乾燥などのわずかな環境変化で死滅する弱い細菌です。ただし、人の粘膜では長期間寄生することができ、接触した粘膜へ感染を広げることができます。男性は尿道や精巣、女性は子宮頚管に炎症を引き起こすことがあります。また、性器だけでなく、喉、目、肛門の粘膜にも感染する恐れがあります。
淋病の症状
淋病は、淋菌による感染が原因で発症する病気です。感染後2日から7日の潜伏期間を経て症状が現れます。男性では、排尿時の痛みや尿道からの膿の排出などが見られますが、女性が腟に感染した場合、自覚症状が出ないことがほとんどです。喉に感染すると、喉の痛みや発熱が起こり、目に感染すると目やにや、目の充血が出ます。
淋病の感染経路
淋菌は粘膜外で生きることができないため、粘膜と粘膜との接触がないと感染しません。性行為または性的な接触を通じて感染し、1回の行為で約40%の確率で感染することがあります。妊娠中の母親が感染したまま出産すると、赤ちゃんにも感染が起こってしまうこともあります。 発症者数は近年横ばいの状態で、引き続き警戒が必要な性感染症であるとされています。男性は尿道や肛門への感染が多く見られ、女性は腟への感染が多いですが、オーラルセックスを通した喉への感染も少なくありません。キスや食事などで感染するケースはほとんど見られません。
淋病の種類
淋菌性子宮頚管炎
女性の場合、淋菌が腟や子宮頚管に感染しても症状が現れないことがしばしばあります。かゆみやおりものの量・臭いの変化、下腹部の痛み、不正出血などが見られることがあったとしても、症状が目立って起こることは少ないです。そのため、パートナーに症状が起こった状況下でも「自分は感染していない」とみなしてしまい、治癒されずにいるケースもあります。 淋菌による感染は、子宮頚管から卵管へと広がることがあり、これが不妊の原因となることもあります。感染が疑われる場合は、症状がなくても検査を受けることが大切です。
咽頭淋菌
淋菌が口腔の粘膜に感染すると、喉の痛み、腫れ、発熱など喉頭炎に似た症状が出ることがあります。ただし、感染しても症状が全く現れないケースも少なくありません。それゆえに感染が見過ごされがちで、感染が広がったり再感染したりしてしまうことも珍しくありません。
淋菌性結膜炎
淋菌が目の結膜に感染してしまう状態です。まぶたの激しい腫れや、濃厚なクリーム色の目やになどの症状が出ます。 成人の場合は性行為によって感染することが多いのですが、特に重大なのは、出産時に母体から赤ちゃんへうつってしまったケースです。症状が進行すると最悪の場合、視力を失うこともあります。
淋病の検査・診断
感染の可能性がある場合は、症状がなくても2〜3日後に検査が行えます。当院では、問診や視診で淋病の可能性があると判断した際には、膣ぬぐい液による検査を行っております。 咽頭淋菌につきましては、喉の粘膜から組織を採取する検査や、うがい液を用いた検査が選択されます。また、クラミジアなど他の性感染症との同時感染を起こしている可能性が高い場合には、さらに検査を追加することも検討します。
淋病の治療
通常、トロビシン注射やロセフィンの点滴治療を用いており、どちらも一度投与するだけでも効果に期待できます。しかし、抗生物質に耐性を持っている淋菌もあるため、治療の成果を確かめるためには再検査が必要です。 トロビシンはお尻へ注射し、ロセフィン点滴は約5〜10分で完了します。特に咽頭淋菌にはロセフィン点滴がよく用いられます。淋菌性結膜炎の場合は、内服薬と抗菌薬の点眼薬を組み合わせて治療します。
淋病の注意点
男性は淋病にかかるとはっきりした症状が現れやすいのですが、女性は無症状であることも少なくありません。性感染症であるため、男性に症状が見られる場合は、症状がない女性でも感染している可能性が高いです。そのため、パートナーも検査を受けることが重要です。また、パートナーである男性が治療を完了していても、女性に症状がないまま感染を見過ごしてしまうと、男性が再び感染してしまう恐れがあります。また、治療を受けて症状が改善された状態でも、「治ったから」と思って治療を止めるのは避けましょう。近年では、抗生物質耐性を持つ淋菌が増加しており、治療を途中で止めると症状が悪化したり完治が難しくなったりする恐れがあります。 医師の指示に従い、パートナーと共に治療を続けること、そして再感染を防ぐために性行為時にはコンドームを正しく使用することが不可欠です。