このような症状はありませんか？
- デリケートゾーンがかゆくなった
- 熱感や痛みを伴ったかゆみ
- おりものの量が増加した
- おりものの臭いが変わった
- おりものの色がいつもと違う（黄色や茶色、緑色、灰色をしている）
- おりものに泡が立っている
- カッテージチーズのような白いおりものが外陰部に付着している
陰部のかゆみの原因
皮膚のかぶれ
ナプキンやパンティライナー、下着などの刺激によって皮膚がかぶれ、かゆみが生じてしまうことがあります。この場合、かゆみの範囲は比較的広くなります。
菌・真菌による炎症
風邪や疲労時に抵抗力が落ちた結果、常在菌が増えて炎症を引き起こし、かゆみが出ることがあります。特に、腟内やその周辺でかゆみが強くなる傾向にあります。
考えられる感染症・疾患
外陰部のかゆみがある場合には、下記のような感染症や疾患にかかっている可能性があります。
腟カンジダ症
腟カンジダは、皮膚や口腔、消化管、腟に常在するカンジダ菌が原因で起こる感染症です。体調を崩して抵抗力が下がると、腟内のカンジダ菌が増えて発症することがあります。特に陰部が高温・多湿の状態でいると、発症のリスクが高くなります。
症状
- 腟や外陰部のかゆみやヒリヒリ感
- 白く濁った、ポロポロとしたおりもの
- おりものの量の増加
治療方法
カンジダ菌専用の腟剤や塗り薬を使うと、数日程度で症状が落ち着きます。
トリコモナス
性交渉を通じて腟トリコモナス原虫が腟に感染し、症状を引き起こす性感染症です。タオルの共有や公衆トイレ、浴場などから感染する可能性もあります。治療せずにいると症状が進行し、子宮内膜症や卵管炎、不妊、早産のリスクが高くなってしまいます。
症状
- 外陰部のかゆみ
- 泡立つったおりもの、黄緑色のおりもの
- 腟炎
- 無症状でいる方も少なくありません
治療方法
内服薬や腟剤を使って改善させます。
細菌性腟症・一般細菌
ストレスや疲れによって免疫力が落ちた結果、腟内の一般細菌が増加し、かゆみをもたらすことがあります。
症状
- 外陰部のかゆみ
- おりものの増加
- おりものの臭いがきつくなる
治療方法
内服薬や腟剤を用いた治療が行われます。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルス1型または2型による感染症で、性行為が主な感染経路です。初感染時には、症状が強く起こる傾向にありますが、実際に症状が出るのは感染者の約30％に限られます。
症状
- 性器及びその周辺の赤みと腫れ
- 痛みやかゆみを伴った水ぶくれ
- 水ぶくれが破れて激痛が生じる場合もある
治療方法
抗ウイルス薬を用いた治療が行われます。ウイルスは体内に残り続け、免疫力が低下した際には再発するリスクが伴います。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎は、ナプキンやパンティライナー、下着、または経血やおりものによる刺激が原因で発生する皮膚炎です。
症状
- 外陰部のかぶれ
- かゆみが出ることもある
治療方法
軟膏を使った治療を行います。
受診の目安
体のかゆみは時に自然に解消されることもあります。外陰部のかゆみが出た場合も同様に、「絶対に医師へ診察しなければならない」とは言い切れません。 しかし、次のような症状が見られる場合は、当院の婦人科までご相談ください。
- かゆみが強く、次の日まで続く場合
- 性感染症にかかった可能性がある
- おりものの異常がある（異臭がする、ポロポロとした塊が出る、色が変わった）