トリコモナス

トリコモナスとは

トリコモナスは、トリコモナス原虫によって性器に炎症が生じる性感染症です。性行為を通じて感染しますが、共有される下着やタオル、便座、浴槽などからも感染する可能性があります。そのため、公共の温泉施設などでも感染するリスクがあり、性交渉を経験していない方や小さな子どもにも感染するケースもあります。 さらに、不特定多数のパートナーとの性交渉や、コンドームを使用しない性行為は感染リスクを増加させます。女性では腟炎や膀胱炎、男性では尿道炎の症状が現れやすいのですが、感染しても自覚症状がない場合が多いのが特徴です。

トリコモナスの症状

  • 黄白色のおりものの増加(強い異臭も伴っている)
  • 膣及びその周辺のかゆみ
  • 下腹部の痛み

進行すると卵管炎症が進行し、不妊や早産、流産のリスクが高まります。感染から24時間後経過している状態から検査を受けることが可能です。

トリコモナスの検査

膣ぬぐい液や尿検査にて行います。結果が出るまで、約5日~7日の時間を要します。

検査を受ける方へ

  • 妊娠中または生理期間中の女性は、性器検査(膣ぬぐい検査)を行うことはできません。妊娠している場合は、産婦人科での相談をお勧めします。生理期間中の方は、生理終了後に検査を受けるのが望ましいです。ただし、妊娠や生理の状態であっても、咽頭検査や血液検査は実施可能です。
  • 抗生物質の服用が検査結果に影響を与える可能性があるため、服用を終了してから2週間以上経った後に検査を受けることをお勧めします。

トリコモナスの治療

抗原虫剤や腟剤の処方

抗原虫剤を服用している間は、アルコールを避ける必要があります。お薬によってアルコールの分解が妨げられ、普段以上に酔いやすくなったり、アルコール中毒のリスクが高くなったりするリスクがあるためです。 また、トリコモナス感染は検査で見逃されることがありますので、パートナーが感染している場合は、治療を受けるようにしましょう。 症状が現れている場合は、検査結果が出る前に治療を開始することも可能です。

トリコモナスの予防

  • 不特定多数のパートナーとの性交渉は避けてください
  • 性行為の際には、コンドームを正しく使用しましょう
  • 生理期間中は、腟の免疫力が低下しており、トリコモナスの増殖リスクが高い状態です。そのため性行為は避けるように気を付けてください
  • 感染者とのタオルの共有や共同浴は避けてください
  • 温泉施設では、「椅子に座る際にタオルを敷く」「プールや温泉から上がった後は体をしっかり洗う」などを心掛け、感染を防ぎましょう。