胆石によって痛む場所は、みぞおちのあたりであるケースが一般的です。胆石は、胆汁の成分が固まってできる結石のことです。胆汁の成分が胆のうや胆管に詰まることで、さまざまな症状を引き起こします。こちらの記事では、胆石で痛む場所や、症状、検査方法や治療法を紹介します。当てはまる症状がある場合には、土日も検査を実施しており、北千住駅から徒歩2分とアクセス良好な、東京千住・尚視会クリニックへお越しください。
胆石とは?
胆石(たんせき)とは、胆汁の成分が結晶化して固まった石のことを指します。胆汁は、肝臓で作られた消化液で、脂肪の消化を助ける役割を担っています。胆汁は、肝臓から胆管を通って胆のう(胆汁を貯めておく袋のようなもの)に蓄えられ、食事の際に十二指腸へ放出されます。
胆石ができる原因は明らかになっていませんが、考えられる理由としては以下のようなものが挙げられます。
- 生活習慣のみだれ:肥満、ストレス、不規則な食事、過食など
- 胆汁中のコレステロールの過剰産生やビリルビンの過剰分泌:胆汁中の成分のバランスが崩れると結晶化しやすくなります。
- 胆汁の停滞:胆汁が胆のうに長く停滞すると結晶化しやすくなります。
- 感染:胆のうや胆管に細菌が感染すると、炎症が起こり結晶化しやすくなります。
胆石は成人であれば、10人の1〜2人が保有するといわれています。けっして低いとはいえない割合で保有する人がいることになります。そこから痛みや発熱といった胆石症の症状が発現する方が増えた理由としては、食生活の欧米化や、医療技術の進歩が考えられます。欧米の食事には脂肪分が多いため、胆汁の分泌量が増えたり、胆汁の成分のバランスが崩れやすかったりするのではないかと考えられています。また、検査や診断技術が進歩したことで、症状が出ないケースであっても胆石が発見されるようになったのです。
胆石の保有人数は多いものの、ほとんどの方が症状もなく、日常生活を送ることができています。胆石を保有していても何の症状も感じない状態のことを「無症状胆石」と呼びます。無症状胆石は、胆石が体の中にあっても症状がありません。では、どのようなものが痛みや症状を引き起こすのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
胆石で痛む場所とは
胆石での痛みは激しいものであると言われています。痛む場所は胆石の大きさや胆石ができる場所によって異なります。痛みが出る場所を見てみましょう。
右季肋部痛
胆石で最も多くみられる症状は、おへそから見た右上のあばら骨あたりの痛みです。これを右季肋部痛といいます。脂肪分の多い食事を摂った後や、夜間に起こるケースが多く見られます。痛みが出る時間は数分から数時間と幅広く、痛みの感覚も鋭い痛みや鈍い痛みなどさまざまです。
背中、肩、みぞおち、腰
背中、肩、みぞおち、腰などに痛みがでることもあります。胆石症以外の、筋肉痛や肩こり、心筋梗塞が原因の放散痛などと考え、受診される患者さんもいらっしゃいます。
胆石が疑われる症状
痛み以外にも、胆石が原因で胆のうや胆管が炎症を起こし、高熱の症状がみられる場合があります。胆のうから胆管への胆汁の流れが胆石によってせき止められることで、胆汁の成分が胆のうの粘膜を傷つけ、さらに細菌の感染が加わることで炎症が起こるのです。
他にも、胃のむかつきや吐き気、嘔吐、食欲低下、だるさなどの症状がある場合には、胆石の関与が疑われます。肝機能が低下している場合にも胆石の疑いがあります。
胆石によって引き起こされる症状
痛みの他に現れる胆石の症状には、黄疸や胆嚢炎があります。ここからは、これらの症状や起こる仕組みを詳しく見てみましょう。
黄疸
黄疸は、目の白目部分や皮膚が黄色くなる症状です。肝臓で作られた胆汁は、通常であれば便に混じって排泄されます。しかし、胆石などによりその流れがせき止められ、体外に排出されなくなる場合があります。その結果胆汁が血液中に流れ込み、黄疸という症状になるのです。黄疸が出てくると皮膚がかゆくなったり、ビリルビン尿という褐色や黒色の尿が出たり、色の濃い便が出たりします。
胆のう炎
胆汁が排出されず、細菌が繁殖すると胆のう炎が起こります。胆のうから十二指腸に胆汁を送り出す胆のう管という管に胆石が詰まることで発生します。高熱や、右季肋部を押したときに増強する痛みといった症状が特徴です。
無症候性胆石
胆石があってもまったく症状の出ない方もいます。胆のうの袋の中に石はあるものの、炎症が起こったり、管に詰まったりといった症状は感じないというケースを指します。この場合は、急いで治療をする必要はありません。
胆石を放置すると
症状が出ないのであれば、胆石はそのままにしておいても良いのではないかと思ってしまいますよね。しかし、どのようなタイミングで胆石発作が起こり、痛みが出てくるかは誰にも予想できません。 また、一時的な痛みで終われば良いですが、胆石が原因で胆のう炎や胆管炎が起こるリスクもあります。 全身性の感染症になると最悪の場合、命を落とすこともあります。そのため、気になる症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
胆石の検査方法
胆石に関する検査方法は 以下のようなものがあります。
- 腹部エコー
- CT検査
- MRI検査
- 血液検査
- 胆道膵管造影(ERCP)
- 静脈性胆道造影(DIC)
音信によって胆石が疑われた場合、まず行われる検査は腹部エコー(超音波検査)です。腹部エコーは、体への負担が最小限であり、胆のうや胆管の状態をリアルタイムで観察できます。
また、体の中の炎症の程度を見るために血液検査が行われることがあります。他にも、胆管炎が併発している場合には、内視鏡を使った造影検査(ERCP)が選択される場合もあります。
胆石の治療方法
痛みがない場合は、治療をせずに様子を見ても良いでしょう。痛みが出る場合は、感染症につながったり、重症化してしまったりする場合もあるため早めの治療を検討しましょう。胆石の手術は、胆のうごと取り除いてしまう場合が一般的です。なぜなら、胆石を胆のうから取り除いても、再び胆のう内に胆石ができてしまう可能性が高いからです。
手術と言うと開腹手術をイメージされるかもしれませんが、 現在は腹腔鏡下胆のう摘出術という内視鏡を用いた手術が一般的です。内視鏡を使用した治療は体への負担が少なく、傷跡も小さくて済みます。短期間での治療が可能で、日常生活への復帰も早いです。
腹腔鏡下での手術が難しい場合は、開腹手術となります。炎症が激しかったり胆のう癌など別の疾患が疑われたりする場合に選択されることがあります。
胆石が疑われる場合は当院へ
胆石で痛む場所は右季肋部(おへそから見た右上のあばら骨あたり)です。 胆石 が体内にあっても痛みがなく、特に問題を感じることなく日常生活を過ごせる方も多いですが、放置した場合胆のう炎やそこからの全身性の感染症へと悪化するリスクもあります。胆石は、定期的な健診によって発見されることもよくあります。痛みが出る前に、自分の体をケアするためにも、一度当院へご相談ください。経験豊富な内視鏡専門医が全ての検査を実施しています。痛みの少ない内視鏡の検査を受けていただけるよう、必要であれば鎮静薬を用いた検査も実施可能です。土日も検査に対応しているため、平日は時間が取れない場合であっても、ぜひ一度お気軽にご相談ください。検査は完全予約制のため、WEBからご予約をお願いいたします。
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